セフィロトの実

発達障害という診断

発達障害の考え方で大事なのは、「スペクトラム」であるということです。

薄い(弱い)発達障害から濃い(強い)発達障害の人までいるということですが、どこからが、発達障害という診断になるかというと難しいところがあります。一応診断基準というものは存在しますが、特に検査で「ここからが発達障害ですよ。」という基準もありません。あまりにも強く、日常生活に大きく影響を及ぼしていれば、明らかな「発達障害」という診断になると思いますが、それほどでもなくても、環境的な問題で「発達障害的」な部分が目立つとそういう診断になるかもしれません。

しかし、発達障害という診断を受けたからと言って、それらの人すべてが「障害者」であるというのも、しっくりきません。

本人は困っていないけれど、周りの人はものすごく困っているという、「会社のあの人」の方がよっぽどひどい発達障害であるということも普通にあり得ますし、強い自閉でひきこもっていても、ご本人やご家族が特に困っていなければ、診断されることもないと思います。

精神科の診断というのは不思議なものです。

 

診断名というパターンにとらわれすぎるとリアルなその人の姿がみえなくなります。

病名の陰に隠れて現実に対処しようとしなくなる人もいます。

「発達障害なんだからできなくてもしょうがない」とか。

これは、発達障害に限ったことではありませんが。

 

なので、いったん診断名は置いておいて、「何に困っているのか?」を明らかにしたうえで、どこでつまずいているのか、その原因は何か、それをどうしたら乗り越えられるのか?を素直に考えていくことにしています。

 

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